新NISAでの『短期投資』は厳禁
はじめに
Takaです。
1月から始まり盛り上がりを見せている新NISAですが、いくつかの『注意点』があります。
新NISAは基本的には『長期・分散』を前提とした制度です。
特徴の1つに『売却した商品の分の非課税枠が翌年に復活する』という特徴がありますが、だからといって短期間で売買をしてしまうとデメリットも生じてしまいます。
今日は『新NISA枠での短期間売買に関する注意』をテーマにしていきます。
- 新NISAを始めたばかりの方
- 制度の細部まで理解している自信のない方
- 新NISAでの『短期投資』における注意点・デメリット
①非課税枠の復活は翌年
「つみたて投資枠」では長期積立投資が原則である一方、「成長投資枠」で個別株やETFに投資しているの中には、投資商品が値上がりしたタイミングで売り抜ける人もいるでしょう。
ただ、売却して空いた枠を再び使用できるのは翌年からです。
https://www.lettuceclub.net/news/article/1179203/i12633267/
同年内に何度も商品の売買を行うことはできません。
②損益通算や繰越控除が受けられない
NISA口座では損失が出た場合の『損益通算』『繰越控除』が受けられないことがデメリットです。
そもそも『損益通算』『繰越控除』が分からない方も多いと思いますので順に説明します。
損益通算とは
損益通算とは、複数の株取引で得た損益を合算し、最終的な利益や損失を計算することです。
https://tickertalk.co.jp/knowledge/3350/
例えば、上図のように株式を売却して20万円の損失が出た一方で、別の株式を売却した際に30万円の利益が出たとします。
通常、売却益30万円に関して約20%の税率で約6万円の税金がかかりますが、損益通算を行い、20万円の損失と30万円の利益を相殺することで実質の利益を10万円にすることができます。
税金は相殺されたあとの利益にかかるため、節税につながります。
損益通算にもいくつか注意点があります。
- 原則確定申告が必要
- 特定口座(源泉徴収あり)では確定申告不要
- 複数の証券口座間でも損益通算可(源泉徴収ありの口座でも確定申告要)
『損益通算』をしてもまだ赤字の場合は『繰越控除』が適応できます。
繰越控除とは
損益通算をしてもまだ損失が残っている場合は、翌年以降3年にわたって利益から損失額を控除することができます。
https://diamond.jp/zai/articles/-/157282
上図のように2017年に50万円の損失を出してしまったとします。
このとき、確定申告で「譲渡損失の繰越控除」をしておいて、翌年の2018年に30万円の利益が出た場合、2017年の売却損のほうが大きいので、2018年の売却益である30万円が相殺できます。
つまり本来売却益にかかるはずの、『30万円×約20%の税率=約6万円』を取り返せます。
また翌年の2019年に10万円の利益が出た場合、それでも損失分が大きいので、先ほどと同じく『10万円×約20%の税率=約2万円』を取り返せます。
これを3年目まで行うことが出来ます。
繰越控除にも注意点があります。しかも一度ミスすると致命的なものです。
- 確定申告を1回でも忘れると「損を繰り越す権利」が消滅し、税金を取り戻せなくなってしまう
ここから話はNISAの話に戻りますが、
NISA口座においては、こういった『損失が出た場合の税制上の救済措置』が受けられません』
短期投資になるほど損をする機会も増えますので、NISA口座での短期投資は難易度が高いといえます。
おわりに
新NISAでは非課税枠の復活がメリットですが、損益通算や繰越控除が受けられないなど短期投資には不向きです。
成長投資枠についても基本的には『長期投資』前提での銘柄選定が良いでしょう。
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