新NISA戦略の1つの高配当株投資について
始めに
新NISA始まりましたね。私は先日お伝えしたように積み立て枠をオルカン、成長投資枠でVYM+NASDAQへ投資していく予定です。
他に人気のパターンとして日本高配当株式への投資があります。
多くの日本企業では中間と期末の年2回配当が支払われます。
通常配当にも20%程の税金がかかりますが、NISA口座であれば配当の全額を手に入れることが出来ます。
今回は高配当株の選び方について解説していきます。
配当金が定期的に入ってくるのは嬉しいですね。
手元に入ってくるお金を実感できるので人気のパターンではあります。
今日は高配当株投資についてと銘柄を選ぶ基準について簡単にお伝えします。
『高配当』って何%から?
高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。
配当利回りは『株価に対する年間配当金の割合』のことです。
配当利回り=1株あたりの配当金÷株価×100 で算出されます。
例えば株価1000円で年間配当金が20円であれば
20÷1000×100=2.0%(配当利回り) となります。
明確な基準はありませんが、3%を超えてくると高配当といわれることが多いです。
銀行の普通預金だと利息は0.001%程ですので3%-4%のお金が入ってくるのはうれしいですよね。
高配当株の選び方について
単純に配当利回りが高いものを選べばよいのでは?
利回りだけで選ぶと痛い目を見る可能性がありますよ。
それも含めて、高配当株の選び方についていくつかポイントを挙げて説明していきます。
①売上・利益が右肩上がりor利益のブレが少ない
これは当然のことなのですが、業績の良い企業の株を購入することです。
右肩上がりでなくとも、安定して利益を出している会社が望ましいでしょう。
配当は『外部から稼いだ利益の還元』である以上、利益が増えれば増配の可能性、減れば減配の可能性が生じてきます。
高配当に興味のある方は『本業とは別の安定した収入源』を欲している方が大半と思います。
増配可能性のある株を買い、減配の可能性のある株を避けるには過去の業績を5年程、可能であれば10年程確認しましょう。
大体ネット証券であれば、銘柄情報のページから業績が見れるリンクがあると思います。
直近はコロナショック等で一時的に落ちている銘柄もあるかもしれませんが、概ね右肩上がりであれば大きな問題はないと考えてよいでしょう。
②増配傾向であること
これは①とも関連しますが、増配傾向である、または減配の可能性が低いことも重要な項目の1つです。
『減配』は株価にとってマイナスの材料になります。また、それにより配当利回りの低下で期待する利回りを下回る可能性が出てきます。
配当状況については『会社四季報』から確認できます。
中には純利益が増加していても減配している企業があったり、株主還元の程度も把握できます。
通常であれば『純利益の増加した年は配当も増加する』傾向であり、順当に行われている会社が望ましいでしょう。
中には『純利益が減少しているにも関わらず増配している』企業もあります。これについては企業にとって無理な配当になっていないか、企業決算説明書等で確認してみてもよいかもしれません。
③株価が割高でないこと
株価が割高でないことは高配当株を買う上で重要なポイントです。
株価の割高の指標としてPER(Price Earnings Ratio)があります。
まずこの指標について解説します。
PERを説明するうえでまず、EPS(Earnings Per Share)について解説します。
EPSは1株当たり純利益ともいわれます。名前の通り、1株当たりの利益がどれだけあるのかを示すものです。
EPSは純利益÷発行株式数で求められます。
例えば、発行株式10万株の企業の純利益が1000万であった場合は
1000万÷10万=100(EPS)となります。
ここでPERの話に戻りますが、PERは、株価÷EPSの計算式で求められます。
株価が1,000円でEPSが100円なら、PERは1,000÷100で10倍となります。
PER10倍以下を『バリュー(割安)株』とすることが多いです。
さらにここから『配当性向』も確認しましょう。
配当性向は純利益のうちどれだけを配当に充てているかを表す指標です。
配当性向(%)=1株あたりの配当金÷1株あたりの純利益(EPS)×100で算出されます。
配当性向は高い方がよいのでは?と考える方もいるでしょうが、配当利益が高いことは裏を返せば『企業の成長にかける金額が少ない』ということになります。
つまり、『業績が伸びない=増配されない=株価が上昇しない』ということにもなりかねません。
配当性向の目安としては50%を超えてくると少し高いかなという印象ですね。
配当金によるインカムゲインと株価上昇によるキャピタルゲインを同時に狙えるのが高配当株投資の魅力なので、できる限りPERと配当性向が高すぎない銘柄を選びましょう。
PERの目安としては18を超えない範囲、配当性向については50%を超えない範囲を目安に探してみることをお勧めします。
高配当株を買い進めていくにあたって
続いていくつか気になる企業が見つかった場合、購入した後の注意点についても解説します。
分散投資
安定して配当金をもらうことを目標にするのであれば、いくつかの企業に分散させて投資を行うことが望ましいでしょう。
『卵は1つのカゴに盛るな』といった投資格言があるように異なる銘柄に投資しましょう。
『卵は1つのカゴに盛るな』
卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合、全ての卵が割れてしまうが、複数のカゴに分けて盛っておけば、1つのカゴを落とし卵が割れて駄目になったとしても、他の卵は影響を受けずにすむ。
特定の商品だけに投資するのではなく、複数の商品に投資し、リスクを分散させた方がよいという意である。
ただ、分散の仕方についても単純に違う銘柄を買えばいいわけではないです。
例えば、トヨタ自動車1000株、日産自動車1000株を購入しても業種的には全く分散が出来ていません。
必ずとはいいませんが、同じ業種の株価は同じような値動きをすることが多いです。
分散させるときには『業種』も意識していきましょう。
株価が下がった時
株には値動きがある以上、上がるときだけでなく下がるときもあります。
この時の動きとしては『購入時の前提条件(購入時の理由)が崩れていたら売る』ことを勧めます。
例えばある企業の株を
①配当利回り4.0%と高配当
②ここ5年間減配なし
③PERが10倍と割高でない
上のような3つの理由で購入したとします。
後に、配当利回りが営業不振等で2.0%に落ち込んだとします。
その場合は購入時の①②の理由が崩れたことになるので売却を検討します。
株価が一時的に下がってもそれだけでは売却の理由にはなりません。
寧ろ、株価が下がって利回りが維持されれば相対的に利回りは上昇しますので、買い増しチャンスと捉えてもよいかもしれません。
終わりに
NISAで新しく投資を始められる方に人気なのが高配当株投資です。株価の値動きが少なく配当金が一定の間隔で入ってくる安心感もあります。
また、医師の場合は日中業務の間に株価掲示板に張り付いておくことは不可能であることが多いと思います。
中長期的な視点で投資をしやすい高配当株投資は医師の投資戦略の1つとして有用といえるでしょう。
そもそも株式口座をまだ持っていない人に向けて
新規に証券口座の開設については私はSBI証券・楽天証券をお勧めしています。
私自身はSBI証券をメインとして使用しています。
証券解説の口座については別記事で解説しています。
もしよければご一読ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。