株価下落傾向 愚直に積み立てを
はじめに
Xでちらほら、『新NISA損切した』人が早くも出てきました。
当方のスタンスは『新NISA枠は長期目線でインデックス投資』が主ですので淡々と積み立てを継続しています。
以前お伝えしたこともあるかと思いますが『新NISA枠で個別株投資』は初心者には難しいです。
その理由としては損益通算不可・確定申告による繰越控除が不可という点です。
今回はこの損益通算・繰り越し控除についての解説をしていきます。
損益通算・繰越控除について
①損益通算について
損益通算は、『複数の株取引で得た損失と利益を合算し、最終的な課税対象額が決まる制度』です。
つまり、損失が発生しても、他の株で発生した利益と相殺することで節税することができるということです。
https://tickertalk.co.jp/knowledge/3350/
例えば、上図のように株式を売却して20万円の損失が出た一方で、別の株式を売却した際に30万円の利益が出たとします。
通常、売却益30万円に関して約20%の税率で約6万円の税金がかかりますが、損益通算を行い、20万円の損失と30万円の利益を相殺することで実質の利益を10万円にすることができます。
税金は相殺されたあとの利益にかかるため、節税につながります。
②繰越控除
損益通算をしてもまだ損失が残っている場合は、翌年以降3年にわたって利益から損失額を控除することができます。
https://diamond.jp/zai/articles/-/157282
上図のように2017年に50万円の損失を出してしまったとします。
このとき、確定申告で「譲渡損失の繰越控除」をしておいて、翌年の2018年に30万円の利益が出た場合、2017年の売却損のほうが大きいので、2018年の売却益である30万円が相殺できます。
つまり本来売却益にかかるはずの、『30万円×約20%の税率=約6万円』を取り返せます。
また翌年の2019年に10万円の利益が出た場合、それでも損失分が大きいので、先ほどと同じく『10万円×約20%の税率=約2万円』を取り返せます。
これを3年目まで行うことが出来ます。
新NISAは長期目線でインデックス投資を行うのが初心者にはお勧め
NISA口座においては、こういった『損失が出た場合の税制上の救済措置』が受けられません』
よって個別株・短期目線での投資は(特に初心者には)不向きです。
そもそもNISAのコンセプトが『長期・分散・積立』なので、それに倣ったスタイルの投資を行うのが良いでしょう。
個別株、短期投資については当方としては特定口座で行うことをお勧めします。
おわりに
SNSで新NISA損切民が早くも出ていますが、惑わされず、長期目線で実直に積み立てを行っていきましょう。