証券口座 複数持ちのメリット・デメリットについて解説
始めに
NISAも始まり証券口座を開設された方は多いと思います。
証券口座は1つの企業につき1つですが、複数企業で解説することは可能です。
口座を複数持つ意味ってあるんですか?
私もメインはSBI証券口座ですが、サブでマネックス証券の口座も持っています。
どういった使い分けをしているか、また複数持つことのメリット・デメリットについても解説させて頂きます。
証券口座複数持ちのメリット
①利用できるサービスが増える
証券会社は各自独自サービスを展開しています。
例えばSBI証券では
- 会社四季報
- バロンズ・ダイジェスト(米国の投資週刊誌 まとめ)
- 国内株式のセクター別アナリストレポート
等を閲覧することが可能です。
証券会社毎で使用できるサービスには違いがありますので、使い分けるメリットになります。
②投資機会の損失を防ぐ
複数の口座を持つことで、メインの証券会社のネットトラブルで取引が出来ない事態が生じた場合に対応することが出来ます。
③投資信託のポイント取得
カードでオルカン等の投資信託に投資することでポイントを取得できるサービスを実施している証券会社は多いです。
『三井住友カードゴールド×SBI証券』の組み合わせで積立金額の1.0%のポイント、『マネックスカード×マネックス証券』で積立金額の1.1%のポイントを取得できます。
カードでの投資信託購入の上限は5万円まで(新NISAに合わせて10万に変更される流れですが。。)なので、複数の証券会社で上限まで投資することでポイントのupを狙うことが出来ます。
ただし、投資可能金額についてはあくまで個々人の状況で判断ください。
月10数万も投資に回せないという方は、まずは積み立てNISA口座へのカード設定でよいと思います。
④取り扱い商品が増える
複数の証券会社を保有することで投資商品の幅を広げることができます。
⑤投資の出口戦略の幅が広がる
※ここは少しマニアックな話になります。
株式投資で得た利益に対しては税金がかかることはご存じだと思います。
株式はいずれ老後の資金や住居購入の際に『現金化』することになります。
この時に複数の証券会社を持つメリットが出てきます。
S&P500への投資信託どちらを売却する?
例えばS&P500への投資商品(e MAXIS Slim 米国株式など)を証券会社AとBで購入していたとします。商品への投資時期等により含み益には差が出る場合があります。
下記のような状況で、100万円を現金化したい場合はどちらを売却しますか?
投資元本 | 現在価格 | 含み益 | |
S&P500(A社) | 100万円 | 150万円 | 50万円 |
S&P500(B社) | 100万円 | 110万円 | 10万円 |
支払い税金を減らす節税の意味では、『B社の投資信託の売却』が正解です。
ここで抑えていただきたいのは『元本に対する含み益の比率が高いほど課税額が増加する』ことです。
次はこれを1社のみで管理していた場合で考えてみます。(わかりやすくC社とします)
投資元本 | 現在価格 | 含み益 | 含み益率 | |
S&P500(C社) | 200万円 | 260万円 | 60万円 | 30% |
投資元本 | 現在価格 | 含み益 | 含み益率 | |
S&P500(A社) | 100万円 | 150万円 | 50万円 | 50% |
S&P500(B社) | 100万円 | 110万円 | 10万円 | 10% |
100万円を現金化したい場合、C社では現在価格260万円から100万円分を売却することになります。売却した100万円は「元本:含み益」でいうと「200:60」です。
よってS&P500(C社)を売却した100万円のうち、含み益は23万円となります。
【計算式】
100万円×60/260≒23万円
続いて、A社の現在価格150万円から100万円分を売却する場合を続いて考えます。
売却した100万円は「元本:含み益」でいうと「100:50」です。
よってS&P500(A社)を売却した100万円のうち、含み益は33万円となります。
【計算式】
100万円×50/150≒33万円
同様にしてB社の場合を計算します。
売却した100万円は「元本:含み益」でいうと「100:10」です。
よってS&P500(C社)を売却した100万円のうち、含み益は9万円となります。
【計算式】
100万円×10/110≒9万円
含み益に対して税金がかかりますので、100万円を現金化する場合は含み益の占める割合の少ないB社を売却するのが最も納税額を抑えられます。
前提として、納税の必要がある口座で納税額を可能な限り抑える方法です。
月10万の積み立てNISA枠を埋めて、さらに投資信託への投資を行いたい方向けの内容です。
デメリットについて
①管理の手間
複数口座を保有すると、管理の手間がかかります。
多くの口座の確認が必要になるため、ストレスを感じるかもしれません。
②情報過多になる
複数の証券口座を保有することによって、たくさんの情報が入る環境になります。
特に初心者の方は情報に振り回される傾向にあるので、まずは1つの証券会社で徹底的始める方が良いかもしれません。
私の証券会社の使い分け
私はNISA口座はSBIで開設しています。
積み立て枠、成長投資枠の使用法については別記事参照ください。
マネックス証券では
- マネックスカードを使用してのカード積立を行いポイント獲得
- 『銘柄スカウター』(業績等を見るツール)の使用
を行っています。
別記事でも解説しましたが、年会費無料のカードの中でのポイント還元率はマネックスカードが1.1%と高いです。
また、『マネックス銘柄スカウター』はかなり使えるツールです。
マネックス証券口座の開設で誰でも無料で使用できます。
あまりに多機能なので、使い方については後日別記事で解説します。
終わりに
証券会社複数持ちのメリット・デメリットについて解説させていただきました。
特にツールの違いや、ポイントの取得のメリットは大きいと思います。
私のお勧めのSBI証券・マネックス証券については下記リンクから申込できます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。